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「第11回 警告ラベルの規格(Part 2)」

2021年1月25日発行

『警告ラベル.com』では、これまで日本のJIS規格について取り上げてきませんでした。それは、製品のグローバル化に伴い、ISOやIECなどの国際規格を活用して製品の安全性を評価することが、世界的に常識となっているからです。しかし、JIS規格も1995年のWTO(世界貿易機関)/TBT協定(貿易の技術的障害に関する協定)発効に伴い、国際規格との整合化が行われています。さらに2019年7月1日の法改正によって、国際標準化の促進が進められています。そのため、基本的にはISO規格やIEC規格にのっとり、警告ラベルを作成していれば問題ありませんが、第11回では、日本のJIS規格や日本が考案したシンボルマークについてご説明します。

 

JIS規格

JIS規格とは、日本産業規格(Japanese Industrial Standards)の略称で、1949年に産業標準化法に基づき制定された日本の国家規格です。JIS規格は、ISO規格やIEC規格を翻訳したもので、国際規格との整合性が図られています。ただし、JIS S 0101 などのように国際規格と整合していないものもありますので注意が必要です。ISO/IEC Guide 21-1では、各国の規格が国際規格へ対応する程度について、IDT(一致している)、MOD(修正している)、NEQ(同等でない)と定義されていて、各JIS規格の冒頭に、対応する国際規格の番号、名称と対応の程度が掲載されています。

規格

名称

対応する国際規格

対応の程度

JIS C 6802

レーザ製品の安全基準

IEC 60825-1

IDT

JIS T 0103

コミュニケーション支援用絵記号デザイン原則

なし

 

JIS S 0101

消費者用警告図記号

なし

 

JIS S 0102

消費者用警告図記号-試験の手順

なし

 

JIS S 0103

消費者用図記号

なし

 

JIS Z 0152

包装物品の取扱い注意マーク

なし

 

JIS Z 7253

GHSに基づく化学品の危険有害性情報の伝達方法-ラベル,作業場内の表示及び安全データシート(SDS)

ISO 11014

MOD

JIS Z 8210

案内用図記号

ISO 20712-1

MOD

ISO 7001

MOD

JIS Z 9101

図記号―安全色及び安全標識―安全標識及び安全マーキングのデザイン通則

ISO 3864-1

IDT

JIS Z 9103

図記号―安全色及び安全標識―安全色の色度座標の範囲及び測定方法

ISO 3864-4

MOD

JIS Z 9104

安全標識―一般的事項

なし

 

 

 

JIS規格からISO規格に移行したシンボルマーク

2020年に開催予定であった東京オリンピック・パラリンピックに向けて、外国人観光客にも分かりやすい案内用図記号にするため、2017年に5つの案内用図記号およびヘルプマークが従来のJIS規格のものからISO規格のものへと変更されました。

シンボルマークの変更にあたり、JIS規格とISO規格のものを比較し、日本人および外国人約1000人ずつを対象としたアンケート調査を実施。

その結果、駐車場、手荷物受取所、救護所、乗り継ぎ、ベビーケアルームを示すシンボルマークについては、日本人と外国人共にISO規格のシンボルマークの理解度が高かったという結果が出ました。そのため、これらのシンボルマークはISO規格のものに移行し、JIS規格のものは2年間の移行期間を設けて廃止されます。
温泉を示すシンボルマークについては、日本人と外国人との間で理解度の評価が分かれたため、現行JIS規格またはISO規格のどちらも使用可能となりました。
その後、シンボルマークの変更や追加を行う規格の改訂が、随時実施されています。

 

日本考案のシンボルマーク

ここまでの説明では、ISO規格やIEC規格が先発となり、日本の規格が後発というイメージですが、日本で考案されたシンボルマークがISO規格として国際標準化されたケースがあります。

以下の非常口のシンボルマークは、日本人によりデザインが考案され、1982年に消防庁により告示、施行されました。1987年には、消防庁告示のものに改良を加えたデザインが「ISO 6309 安全標識」に組み込まれました。現在は「ISO 7010 図記号―安全色及び安全標識」で規定されています。

同じように、津波の標識も日本の消防庁から提案され、2008年に「ISO 20712-1 水辺の安全標識」に「津波に関する統一標識」として国際標準化されました。また、国内普及の観点から2009年には「JIS Z 8210 案内用図記号」に追加されています。

 

さらに、2016年には「JIS Z 8210 案内用図記号」の追補6「災害種別一般図記号」および「JIS Z 9098 災害種別避難誘導標識システム」が改正・制定されました。避難場所がどの災害に対応しているかの表示方法として、「避難場所」の図記号と5つの「災害種類」の図記号を併記し、避難場所を示す標識システムを規定しています。経済産業省では、この「JIS Z 9098 災害種別避難誘導標識システム」をISOに提案し、国際的な避難誘導システムとして定着させていくことを目指しているようです。

このように、国際規格を受け入れて改正したり、国際規格として提案するなど、国際標準化の波が訪れているといえるでしょう。

その他にも業界特有の規格として、半導体製造装置のSEMI規格があります。当社は、親会社であるSCREENホールディングスが半導体や液晶フラットパネルディスプレー製造装置の製造・販売を行っていることから、SEMI規格に準拠した警告ラベルを多数取り扱っています。
次回は、「警告ラベルと取扱説明書に関わるSEMI規格」について説明します。

 

(参考文献)

 

この連載記事は、お客さまの警告ラベルへの理解を深め、ご活用いただくためのものです。この内容に基づいて生じた事故や損害について、当社は一切の責任を負いません。あらかじめご了承ください。