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「第5回  正しく伝わる警告ラベルのデザイン(Part 1)」

2020年5月22日発行

警告ラベルは、製品に関連する規格や製品を使用する国や地域の規格に適応させる必要があります。規格は、規格の作成組織によって国際規格、国家規格、地域規格、団体規格などに分類されます。規格の標準化により、国家規格、地域規格、団体規格などは、基本的な方針を国際規格に合わせて作成していますが、詳細は各規格によって異なります。そのため、各規格で定められている要求事項を十分に調べてから、警告ラベルをデザインすることが必須となります。警告ラベルを「正しくデザインすること」で、ユーザーにリスクを「正しく伝えること」になり、製品を「正しく使用すること」ができます。 

そこで、第5回~第9回にわたって、ISO・IECといった国際規格を基に、国家規格であるANSIやGB、団体規格であるSEMIとの違いも踏まえながら解説していきます。まず第5回では、ラベルの構成要素と規格による違いについて説明します。

 

警告ラベルの構成要素

警告ラベルの一般的な構成要素は、以下のとおりです。

番号 名称 説明
シンボルマーク

危険源の識別、禁止行為、強制行為といった特定の安全メッセージを伝えるため、抽象的または具象的に表現した図記号

シグナルワード

危険源の重大さや度合いを伝え、警告ラベルに注意を向けるように促す単語

文字メッセージ

「危険種別」:危険の種類(危険源)について記載
「想定結果」:危険を回避しないと起こり得る結果について記載
「回避方法」:危険の回避方法について記載

型番

ラベルの識別子(SEMI規格では必須事項)

フォーマット

シンボルマーク、シグナルワード、文字メッセージを構成したパターン

 

警告ラベルはこれらの基本要素を踏まえて作成しますが、細かい内容については規格によってルールが異なります。特に①シンボルマークや②シグナルワードは、規格ごとに微妙にデザインや用語が異なります。見た目でどのような違いがあるのかについて、次の項目で簡単に説明します。
 

規格によるデザインの違い

ここでは、機械的な危険を例にして規格ごとにサンプルを作成し、一覧にしました。
なお、警告ラベルに関する各規格については、第10回~第12回で詳しく説明します。

規格タイプ サンプル 説明
ISO・IEC/SEMI

ISO・IECでは、シンボルマークは『ISO 7010』、『ISO 3864-1』、『IEC 61310』などに準拠したものを使用します。また、シグナルワードは『ISO 3864-2』の規定に従います。
SEMIでは、ほぼISO・IECタイプと同様ですが、『SEMI S1』の規定により、固有の識別子である「Reorder No.」を入れることが必須とされています。

ANSI

シンボルマークは『ANSI Z535.3』に準拠したものを使用します。
『ANSI Z535』では、感嘆符を使用する場合に限り、シンボルマークに三角形を使用します。

GB

シンボルマークは『GB 2894』に準拠したものを使用します。
また、文字の高さは『GB 5296』では1.8mm以上と規定されています。

このように、基本的な構成は共通ですが、各規格によって警告ラベルのデザインが異なることが分かります。

 

警告ラベルをデザインする前に

警告ラベルをデザインする前に、以下の内容を準備または確認します。
・リスクアセスメントシートを手元に準備する
・警告ラベルの貼り付け位置とサイズを確認する
・製品の適応規格(業界特有の規格など)を確認する
・製品を使用する国や地域の規格を確認する

警告ラベルの貼り付け位置については、厚生労働省「機械の包括的な安全基準に関する指針」で「危害が発生するおそれのある箇所の近傍の機械の内部、側面、上部等の適切な場所に貼り付けられていること」と定義されています。ユーザーの目が届く範囲で、正確に内容が把握できるように、ラベルの位置とサイズを考慮してください。

また、該当する規格が複数想定される場合は、製品を取り巻くさまざまな状況や条件を踏まえ、どの規格を警告ラベルやマニュアルに適用させるかを決定してください。警告ラベルやマニュアルに関する規格について不明点などがありましたら、当社までお問い合わせください。

次回は、「警告ラベルの構成要素であるシンボルマーク」について説明します。

 


(参考文献)

この連載記事は、お客さまの警告ラベルへの理解を深め、ご活用いただくためのものです。この内容に基づいて生じた事故や損害について、当社は一切の責任を負いません。あらかじめご了承ください。

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