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“警告ラベルがわかる!” 安全規格講座  「第7回 海外向け製品に貼る警告ラベルは?(Part2)」

2015年4月20日発行

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はじめに

前回のPart1では、国や地域ごとにどのような標準規格があるかを説明しましたが、今回はPart2として、それぞれの特徴や注意点について説明します。

図記号の違い

図記号における各規格の違いを見るには、その標準化がどのように行われるかを知る必要があります。
警告表示の図記号を標準化する場合、理解度および視認性などの試験が行われます。
ISO、JIS、ANSIでは、以下のような試験要求規格があります。

・ISO 9186-1:図記号-試験方法-第1部:わかりやすさの試験方法
・ISO 9186-2:図記号-試験方法-第2部:試験知覚品質の方法
・ISO 22727:図記号-一般案内用図記号の作成及びデザイン-要求事項
・JIS S 0102:消費者用警告図記号―試験の手順
・ANSI Z535.3:安全記号基準

理解度試験には、選択方式、自由記述方式、比較方式などがあり、図記号の意図する使用用途などに応じて方式を選択し、決定します。
いずれの規格も、規定以上の人数に対してアンケートや試験を行い、基準以上の認識率および視認性を得たものが採用されます。 ここで注意すべき点は、同じ記号であるにもかかわらず、規格によって合格になっているものと不合格になっているものが存在することです。
例えば、「ISO 7010:2003」で規定されている放射能に関する図記号は、「ANSI Z535.3-2007」では理解度試験に合格していない安全記号(得点50%未満)として紹介されています。

これは、米国の規格が抽象的なシンボルをあまり受け入れない傾向があるためだと考えられます。
さらに日本や欧州では日常的に見られる非常口のシンボルも、米国(「ANSI Z535.3-2007」)では理解度試験に合格していないとされているため、白地に赤か緑で大きく「EXIT」という文字があるだけです。

この非常口のシンボルは、もともと日本の消防庁の提案によって、1987年に「ISO6309:1987」に制定されたものです。
同様に、「津波の図記号」も日本の消防庁から提案され、2008年に「ISO20712-1:2008」に「津波に関する統一標識」の図記号として国際標準化されました。
これらは、日本の防災意識の強さが国際的に認められ、反映された結果と考えてよいでしょう。

また、中国の「GB 2894-2008」には下図のような、おおよそ日本では不要と考えられる禁止マークなども掲載されています。

このように、国や地域によって規格に対する考え方が異なるため、新たな図記号や警告ラベルを作成する際は、仕向け地の特性を調査し十分考慮する必要があります。

シグナルワードの違い

「DANGER(危険)」、「WARNING(警告)」、「CAUTION(注意)」など、リスクの重大度を示すシグナルワードについても、規格によって扱いが変わります。

「ISO 3864-2」では、以下のように3段階に分けて表記されます。

高レベルのリスクを誘発する潜在危険であり、回避されないと死又は重度の傷害を招くことを示す。
中レベルのリスクを誘発する潜在危険であり、回避されないと死又は重度の傷害を招きうることを示す。
低レベルのリスクを誘発する潜在危険であり、回避されないと軽度又は中度の傷害を招きうることを示す。

しかし、「ANSI Z535」では上記に加え「NOTICE」と「SAFETY INSTRUCTIONS」が存在します。

人身傷害に関連しない行動を示すために使用する。
安全指示又は安全具の位置の標識は、安全な作業実施に関する一般的な指示を与えるか、又は安全具の設置場所を示す。

ISOでは物損だけのリスクに対するシグナルワードは定義されておらず、ANSIでは物と人のリスクに対するシグナルワードを分けています。
下図(左)のラベルは「ISO 3864-2」のAnnex Cに掲載されているサンプルですが、これを同じ内容で米国向けにする場合は、下図(右)のようになります。

また、韓国ではKOSHA(韓国産業安全衛生公団)の警告ラベルフォーマットが2012年に改訂され、シグナルワードの扱いも以下のように変更されました。

「禁止」のシグナルワード表記方法が、赤背景に白字に変更。
「警告」、「注意」のシグナルワード表記方法が、黄背景に黒字に変更。
「指示」のシグナルワード表記方法が、青背景に白字に変更。

したがって、韓国ではシグナルワードの部分の解釈が異なり、「ISO 3864」で規定されている「禁止」、「警告」、「強制」を示すことになります。
例えば、下図(左)の「ISO 3864」の巻き込まれに関する警告ラベルを韓国版にすると、下図(右)のようにシグナルワード部は黄色の背景に「警告」となります。

これは、国際規格やANSIとは大きく異なりますので十分な注意が必要です。

言語について

警告ラベルで使用する言語は、基本的にその製品を使用する地域の公用語となりますが、「第4回 警告ラベルをデザインする!(Part1)」でも説明したとおり、シグナルワードは規格によって「DANGER(危険)」、「WARNING(警告)」、「CAUTION(注意)」に該当する各国語の対訳が異なっている場合があります。そのため、作成時には適用規格で推奨されているシグナルワードを確認する必要があります。
また、いずれの規格も多言語併記は許可されていますので、複数国への出荷が想定される場合などは、複数言語併記のレイアウトデザインも可能です。
また、カナダではカナダ連邦と州・準州の法規制によってカナダ向け製品への安全表示、警告表示、注意表示については、英語とフランス語の2言語での表示が求められています。
中国では、「中国GB 5296.1:消費生活用製品の使用説明 第1部:総則」(工業製品の場合は、「中国GB/T 9969:工業製品使用説明書 総則」)に以下のような記載もあります。

中国国内で販売される消費生活用製品に一種類以上の言語による使用説明を提供する必要がある場合、中国語の説明を外国語の前に置き、中国語の標題を目立たせる。また各言語の説明を明確に区切る。

これは、あくまで取扱説明書の規格ですが、警告ラベルの内容を取扱説明書にそのまま記載する場合などは注意が必要です。

海外向け製品に貼る警告ラベルについて、2回にわたって簡単に説明しましたが、これら以外にも、特定の製品や業種に限定される各国・地域向けの規格がたくさんありますので、警告ラベルの作成時にお困りの際は、ぜひ当社にご相談ください。

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この連載記事は、お客さまの警告ラベルへの理解を深め、ご活用いただくためのものです。この内容に基づいて生じた事故や損害について、当社は一切の責任を負いません。あらかじめご了承ください。