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“警告ラベルがわかる!” 安全規格講座 「第4回 警告ラベルをデザインする!(Part1)」
2013年12月13日発行
はじめに
警告ラベルには、適応規格によって厳密なルールがあります。
(例えば、特定の使用国におけるレーザーラベルや化学物質危険情報伝達ラベルなど)
したがって、警告ラベルを貼る対象製品の適応規格を十分に調べることが必須となります。ここでは、ISO 3864やIEC 82079、ANSI Z535など国際的に広く適用されている警告ラベルの概念を基に、一般的に要求されている警告ラベルのデザインについてご説明します。
警告ラベルの構成要素
一般的な構成要素は、大別して5つあります。
① | シグナルワード | 安全標識への注意を喚起し、危険の深刻さの度合いを示す単語。 |
② | 文字メッセージ | 安全標識の中で、危険の種類の特定、危険の回避方法および危険を回避しないと起こり得る結果について記載。 |
③ | シンボル | 特定の安全メッセージを図式表現した記号。 |
④ | フォーマット | シンボル、シグナルワード、文字メッセージの組み合わせパターン。 |
⑤ | 型番 | ラベルの識別番号。(SEMIのみ必須) |
今回は、これらのうちの「①シグナルワード」と「②文字メッセージ」について説明します。
シグナルワードの決定方法
シグナルワードは、リスクが示す危険の度合いを直観的に判断できるように記載します。
実際はこの“危険の度合い”は「第3回 警告ラベルの内容を決める!」で説明したように、まずリスクアセスメントを実施し、安全防護や保護方策を十分に行っても、最後までリスクが残る場合、使用者に伝えなければならない情報を検討します。
具体的には、“危険の度合い”は下図のように“損害の大きさ”と“発生頻度”により判断されます。
「NOTICE」以外のシグナルワードの左横には、必ずマークを記載する必要があります。
警告ラベルは、原則として、使用国の公用語で記載する必要があります。したがって、シグナルワードも各言語での表示が必要となりますが、ISO、ANSI、SEMIなどの規格によって表現が異なる場合がありますので、注意が必要です。
以下に、各言語のシグナルワードの例を記載します。
文字メッセージについて
●記載要素
文字メッセージには、「危険種別」・「想定結果」・「回避方法」を記載する必要があります。
ただし、次のような場合は、文字メッセージを省略することができます。
- シンボルや他のテキストメッセージがある
- ユーザトレーニングが実施されている
- 安全ラベルが使用されている
① | 危険種別 | 危険の説明 |
② | 想定結果 | 危険な状態が発生したとき |
③ | 回避方法 | 危険を回避する方法 |
●記載ルール
文字メッセージに記載する情報は、簡潔でなおかつ、読んで理解しやすいものにする必要があります。
一つの文には一つの指示だけとする、または、関連する少数の指示だけを記載するなど、冗長な表現は回避します。
文体は、以下の注意が必要です。
文字メッセージの中で、指示、予防策、結果を詳細に伝えるために長い文章を必要とする場合は、ラベルの代わりに他の安全情報源(安全指示書、各種マニュアル、操作手順書など)を使用して伝えることも可能です。
次回は、Part2として「シンボル」、「フォーマット」、「規格」について説明します。
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第3回
警告ラベルの内容を決める! -
第2回
PL法と警告ラベル -
第1回
警告ラベルはなぜ必要?
「警告ラベル.com」を運営している株式会社SCREENクリエイティブコミュニケーションズでは、お客さまにとって大切なユーザーのリスクを軽減するため、製品安全サポートサービスを提供しております。
無料のマニュアル診断も承っておりますので、ぜひご活用ください。
この連載記事は、お客さまの警告ラベルへの理解を深め、ご活用いただくためのものです。この内容に基づいて生じた事故や損害について、当社は一切の責任を負いません。あらかじめご了承ください。